あなたにとって、時間とは何でしょうか。毎朝、ベッドから起こしてくれる目覚ましでしょうか。定刻通り、あるいは数分遅れて到着する電車でしょうか。手帳に繰り返し並ぶ会議でしょうか。それとも、誰かと約束したあの夜の食事でしょうか。
もしあなたが、現代的なインフラが整った場所で暮らしているのなら、日々の生活はきっと、時間やその感覚によって大きく形づくられているはずです。「時間通り」であること。慌ただしく過ごすこと。それが当たり前になりすぎて、時間がもともと人間によってつくられた概念にすぎないということを、いつの間にか忘れてしまっているのかもしれません。
時間のもとで生きること。「時間」という名の毛布に包まれて暮らすこと自体は、決して悪いことではありません。それは確かに、方向感や安心感を与えてくれます。
けれどある日、時間という概念や、それを軸に組み立てられた予定が、いつの間にか自分を少しずつ疲れさせていることもあります。予定と予定のあいだを行き来する毎日。
そして、ぽっかりと空いた時間ができたとき、かえって喪失感や不安が込み上げてくることもある。だからこそ、ときどき思い出したいのです。時間は、人がつくったひとつの仕組みにすぎないということを。フルタイムの仕事やさまざまな責任の中で、時間に縛られているように感じることもあるでしょう。
それでも、それが自分のために機能していないと感じたとき、ほんの少し距離を取るという選択も、どこかにあるのかもしれません。
あなたにとって、本当に大切なのは何でしょうか。ただ慌ただしく動き続けることなのか。それとも、「生きている」という感覚そのものなのでしょうか。もし少しだけこの問いについて考える時間があれば、電車が遅れた日も、予定のない週末も、また違った見え方をするかもしれません。